totomaぱん

2011年2月に宮城県仙台市でオープンした小さなパン屋「totomaぱん」
自家培養発酵種、国産小麦、薪釜をつかってパンを焼いています。 佐野碧〔特設クラウドファンディング〕『日本全国、世界にただある声を届けたい!』では、AOIロゴ入りカンパーニュ含む、おまかせパンセット+手作りジャムをリターン(お返しの品)としてご協力頂いております。 店舗営業:水曜日~土曜日 10:00~18:00

住所:宮城県仙台市泉区寺岡1-17-2
電話番号:022-220-1107

佐野 碧(サノアオイ)

仙台出身、アジアで活躍するシンガーソングライター。2015年に発生したネパール大震災をきっかけに地元東北とネパールでの活動を並行して行うようになる。2016年より毎年開催しているチャリティフェスティバル『HIKARI SONG GIFT』には述べ5000人以上が参加。海外メディアでも大々的に取り上げられている。 学生時代は野球に明け暮れ、リトルリーグで女子初の東北選抜に選ばれるなど野球との関わりも深く、地元仙台ではプロ野球、楽天イーグルス戦で2度に渡り国歌斉唱の大役も務めている。2019年9月10日には、6thシングル『ただある声』のリリースが決定している。

早坂将(totomaぱん) × 佐野 碧 スペシャル対談

早坂将(totomaぱん) × 佐野 碧


佐野碧 totomaぱんをはじめたきっかけはなんですか?


早坂将 きっかけは妻の趣味が高じてです。


佐野碧 じゃあ、将さんがパンを作りたくて始めた訳ではないんですか?


早坂将 そうですね。ただ元々カフェをやりたいという夢は昔から持っていました。それで北海道で馬の仕事をしていたときに、そこはものすごく田舎だったので、妻は時間を持て余していたんですよ。それで空いた時間にパン作りを始めたっていうのがきっかけですね。


佐野碧 へぇー、そうだったんですね。


早坂将 それで毎日毎日作っていて、人にあげたり、食べてもらったりしているうちに、「美味しい」って言われるのがすごく嬉しくて、本当にそれだけですね。


佐野碧 お店ができてからは何年経つんでしたっけ?


早坂将 オープンしたのは震災と同じ年なんですよ。震災があったのが3月11日で、お店がオープンしたのが2月27日です。


早坂将(totomaぱん) × 佐野 碧


佐野碧 この辺も結構被害は受けましたか?


早坂将 いや、この辺は揺れは大きかったけど地盤が固いからなのか、被害はそれほどでもなかったです。


佐野碧 オープンして本当に間もなくっていうタイミングだったんですね。


早坂将 そうです。まだその時は収入の柱は他にあって普通に働いてもいて、週に1回、2回お店をオープンするといった感じでした。僕の休みの日に妻と二人でやっていましたね。電気は1日、2日位ですぐに復旧したので、電気オーブンは使えたのでパンを焼く事はできました。


佐野碧 やはり震災当時は食べ物に困った方々が来たりしましたか?


早坂将 来ました来ました。近所の人とかもたくさん来たし、お米とか餅とかじゃなく、パンを食べたいっていう人が結構いましたね。周りのお店は全くやってなかったですからね。


佐野碧 そういう意味でも最初から地域での貢献がすごいです。震災直前にお店をオープンされたことも何か意味があったように思えてなりません。


早坂将 ただ、材料は全然入って来なかったから、ストックしていた材料で焼ける分だけ焼いて、値段は安くして売ってました。


佐野碧 やっぱりその時は安くされていたんですね。


早坂将 そうですね。安くしてましたね。


佐野碧 震災が起きてからパン作りに関して何か変わったりしましたか?


早坂将 そんなにすぐには変わらなかったですけど、やっぱり色々想うことはあって、今うちは薪釜になったんですよ。薪で火を起こしてパンを焼いているんですけど、薪釜なら電気が途絶えても、地震とか災害で薪釜が壊れる可能性はあるんだけど、そういう事があったときでも普通にパンが焼けて近所の人に食料を供給できる場所になれればとずっと思っていました。薪釜という答えにたどり着くまでには少し時間はかかったけど。


早坂将(totomaぱん) × 佐野 碧


佐野碧 どういう経緯で薪釜にたどり着いたんですか?


早坂将 オープンして2年後位から忙しくなってきて、パン屋だけでやっていけるようになったのもその頃なんですけど、思い切って仕事を辞めて、夫婦2人でパン屋だけの収入でやっていくようになったんだけど、なんとなくお店の在り方はずっと考えていて、きっかけは妻が下の子を身ごもったことによりパンを焼くのが妻から僕に変わったんです。その時はまだ「どうしようかな、もう一回働きに出ようかな」とも思ったんだけど、お客さんもかなり付いてくれていたのでパン屋をこのまま続ける方向で考えて、僕が全面的にパンを作るようになりました。それで僕は元々大きいパンが好きだったんですよ。日持ちもするし。クリームパンとかメロンパンとかソーセージパンとかは1日で食べれなくなっちゃうんですよ。次の日には廃棄しないとならないんです。その点シンプルなパンは日持ちするので、そういう非常時にも良いですし発送もできるので、ここまで来づらいお客さんにも通販に力を入れることで届けることができるので、売上を維持する点と日持ちするっていう点からシンプルな大きいパンを焼くようになりました。それでそのシンプルなパンを美味しく焼くにはどうしたら良いんだろう?っていうのをずっと考えていたら薪釜にたどり着きました。そこからは全国にある薪釜があるパン屋さんに見学に行ったりもしましたね。


佐野碧 元々この道でプロになったわけではなくて、ゼロから学んでいったんですね。


早坂将 修行には行ってないので独学ですね。


佐野碧 私も音楽を独学で勉強したので共感しました。独学というのはある意味で固定観念がない自由な発想でものづくりができますよね。その分大変なことはたくさんあると思います。ちなみに薪釜で焼いているパン屋さんって少ないんですか?


早坂将 長野とかはすごく多いんですよ。ほとんどが薪釜のパン屋みたいな感じなんですけど、宮城ではピザ屋はあるんですけど、パン屋ではうちともう一軒とかですね。


佐野碧 すごい貴重ですね。やっぱり薪釜と電気だと全然違うんですか?


早坂将 全然違いますね。電気窯だと外側からじわじわ火が通って最後に中が焼けるんですけど、薪釜だと中から火が通っていくんです。強い火力で外側が焼き固められて、中からじわじわ火が通っていくんで、パンに水分が閉じ込められてジューシーなパンになります。


佐野碧 勉強になります。薪釜はtotomaぱんの特長のひとつって感じですね。薪釜を扱う際に苦労することって何かありますか?


早坂将 薪に関してなんですけど、うちは山形の安全な薪を使っているんですが、宮城の薪のなかには原発の影響を受けているものもやっぱりあるんですよね。 原発が爆発して最初福島県の左上に飛んで、そこから偏西風に乗って太平洋側に出て宮城県の方にもかかったんですよね。だからいまだにその影響が出るんです。最初は木の皮を剥げば大丈夫って言われていたんだけど、最近はどうも気の内部から出るということが分かって、地表に積もったセシウムとかを大きく吸い込んでいるらしいです。

 

薪窯もそうなんですけど、薪ストーブなんかも同じような問題を抱えていて、薪が灰になることで、木に含まれている放射性物質が凝縮されて200倍になるんです。国の基準で食品は必ず調べなくてはいけないんだけど、薪に関しては40ベクレルまでがギリギリ一般家庭ゴミで出せるレベルで肥料になるから畑にも撒けるんだけど、400ベクレルを超えると畑には撒いちゃ駄目で家庭ゴミで処理しなくてはならなくて、40ベクレルの200倍の8000ベクレルを超えると家庭ゴミでも出しちゃ駄目で、最終処分場まで持っていかなくてはいけないんだけど、最終処分場がまだ決まっていないから、結局自宅保管してくださいって言われるんです。

 

それで実際に使う薪をどうしようってなった時に、息子が通っている保育園の先生に相談したら、保育園は薪ストーブなんですけど、そこが仕入れているところの薪はちゃんと測定していて大丈夫だよっていう話しを聞いて、そこを紹介してもらったんです。それは石巻の薪ストーブ屋さんなんだけど、薪の仕入れ先は山形県の朝日連峰の標高が高いところのだけを使って、全部測って問題のない指数のものだけを出荷している薪屋さんがあるので、うちは全部そこから仕入れています。値段はちょっと高いんですけどね。


佐野碧 美味しいものを作るだけでなく、誰が食べるか、そのことにいつも意識を向けられていることが素晴らしいです。その他に有機のものとかにもこだわりがあったりするのですか?


早坂将 有機のものに関してはそこまでのこだわりはなくて、今小麦粉は4種類使っているんですけど、有機小麦は1種類だけだし、パンに入れる副材料、レーズンとかクルミとかはオーガニックな有機のものを使ってはいるけど、必ずしも有機にこだわっているわけではないです。ただ小麦粉は必ず国産でなるべく近くのものを使うようにしています。小麦ってやっぱり北海道が生産量が多くて有名で前は北海道から全部買っていたんですけど今は一部だけにして、8割が山形のものにしています。それも震災とか何かあったときすぐに手に入ると思うので。


佐野碧 震災の経験もあり、そのような形に自然とたどり着いたんですね。


早坂将 そうですね。車で行けるんでね。


佐野碧 今後の夢や目標はあります?


早坂将 元々カフェをやりたいっていう夢があるので、カフェは絶対やりたいです。この場所ではないんですけど、この近くでやりたいと思っています。


佐野碧 良いですねー。totomaカフェ!


早坂将 (笑)名前はまだちょっとわからないですけど...。


佐野碧 ちなみに『totoma』っていうのはトシコさんとマサルさん、ご夫婦2人の名前をかけた名前なんですよね?


早坂将 そうです。トシコのTOとマサルのMA。それだけです(笑)


佐野碧 いつも自然の流れにのっていて素敵です(笑)totomaパンのパンを是非、全国の方々にも食べていただきたいです!


〔infomation〕totomaぱんオフィシャルアカウント

〔infomation〕佐野 碧 - 6thシングル『ただある声』2019年9月10日リリース

2019年9月10日に、6thシングル「ただある声」を発売することが決定しました。シングル発売を記念して仙台、福島、東京、大阪で、発売記念ライブを開催します。また、英語字幕で、ネパール語バージョンのミュージックビデオを制作し、世界中の方々にただある声を届けます。皆様のお力添えをいただきたく特設クラウドファンディングも実施させていただいております。今回のクラウドファンディングではこれまで支えて頂きました地元東北への感謝と応援、そして、より多くの方に魅力を知って頂きたいという想いも兼ね、東北の物産品を一部リターン(お返しの品)にさせていただいております。その中でtotomaぱんのご協力を得て、佐野碧のAOIロゴをモチーフにしたカンパーニュも制作していただきました。

 

佐野碧 6thシングル
『ただある声』

-収録曲-
01.ただある声
02.ただある声(ネパールver.)
03.ただある声(カラオケver.)

フォーマット:CD(8Pブックレット付)
発売日:2019年9月10日(火)
価格:1200円(税込)
発売元:AOI FACTORY records

 

佐野碧〔特設クラウドファンディング〕<br />リターン(お返しの品)

佐野碧〔特設クラウドファンディング〕
リターン(お返しの品)

佐野碧〔特設クラウドファンディング〕
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